白熱教室@佐賀県武雄高等学校 長崎県立大学国際情報学部 小原篤次

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7月12日、佐賀県立武雄高等学校「職業・学問学習会」に講師の一人として参加しました。
50分授業を2回、出席者は88名でした。質問多数で、白熱教室でした。
控え室まで来ていただいた学生もいらっしゃいました。
大変、お世話になりました。

講義要旨
日本がアジアで唯一、豊かな時代は終わりました。
一人当たりGDPでみると、日本はシンガポール、香港に抜かれ、韓国、台湾にも抜かれる見通しです。
マレーシアや中国とも縮まっています。
でも、日本とアジアの格差が縮まったことは、継続的に交流する上で決してマイナスとは考えていません。

米国の大学生はアジアでは中国を留学先に選びます。中国は5位の留学先で日本は10位にも入りません。
日本への留学生も、中国、韓国が中心です。
残念ながら、米国や欧州からの留学生は多くない。これも事実です。

トヨタ自動車、ブリヂストン、ソニーなど海外売上が高い企業は毎日がオリンピックです。

英語を使える仕事で客室乗務員をイメージされると思います。
しかし、国際線があっても、全日本空輸(ANA)はむしろ、海外売上高比率は低い。

トヨタ自動車などの企業は、アウェーの海外で競争しています。
このため、日本人に拘らず、留学生や海外で人材を積極的に採用しています。
本当に日本人が必要なのかの議論が、日本企業で始まっています。

質疑関連
・東京大学の秋入学について
日本への評価、関心が低下する中、東京大学も世界やアジアでのランキングを意識しています。
日本最高で最大の国立大学が変わることは簡単ではないと思います。
ただし、留学生を獲得する戦略なら、春か秋の議論ではなく、春と秋入学にしたい。
早稲田のような私学から、春、秋、そして夏入学を考える大学も出てくるでしょう。
高校も含めて留学生獲得の競争が始まっています。

・英語は勉強すべきなのか
英語力が低いのは、長年の日本人の課題です。
日本市場が縮小し、企業の競争力も低下したことで、必要性が高まってきたわけです。

べき論ではないでしょう。英語の必要性が高まっています。
英語が好きで勉強を続け、英語を使う人がいます。
そして、いま、英語が苦手でも、社会に出たら、英語を勉強する人がいるでしょう。
さらに、英語プラス中国語、英語プラス韓国語というニーズがあり、若い世代に求められてきます。

・海外留学後について
できるなら、1年以上の海外留学にチャレンジしていただきたい。
語学力、精神面も鍛えられます。海外の良い面だけではなく、悪い面にも気づくはずです。
そのことで、日本の長所と欠点を実感することでしょう。

・日本の競争力はなくなるのか
すべて日本が勝てないとは思っていません。
そのためにも、若者は一度は、海外に出かけて欲しい。

7/16には、本学部でもオープンキャンパスです。もちろん、私も出席します。
http://sun.ac.jp/examination/event/open/

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