【コメント】外国為替およびインバウンド観光への影響(2016年5月25日)

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■質問
6月末の小原先生の予想は?
■回答
1980年1月以降の月間分析では、前月比変動幅は3円程度、過去5年間で2円程度です。現在値から±3円以内のレンジで考えています。円高基調と考えますが、大きく変動する要因も見当たらず、109円90銭を予想とします。
日本銀行の金融緩和に対する日本への円安批判のほか、トランプが共和党候補となるアメリカ大統領選挙、英国のEU離脱を問う国民投票など、相対的に円が買われる要因がありますが、かなり市場には織り込まれているという前提です。消費税引き上げの延期が、日本経済の回復が遅れているため、つまり追加の金融緩和政策があるとの見方が強まれば、円安要因になります。追加の金融政策が伴わないと、円安要因としての効果は限られます。

■質問
円高になるから業績が悪化するのか、業績が悪化するから円高になるのか?
■回答
何が原因で、何が結果なのかを考えることは大切です。回答は前者です。外国為替はドル・円であれば、日米の金利差など日米のマクロ経済・金融政策の動向のほか、欧州・新興国も含めた世界的な様々な要因で価格が形成されます。円高により、日本から輸出する製品の価格が上昇、さらに海外売上高・利益を圧縮します。他方、輸出企業の業績悪化が日本経済全体に影響を及ぼす場合、日本銀行の追加金融緩和期待が高まると、円安要因になります。

■質問
外国人旅行者がなぜ、日本で大量に買い物をしているのか?
■回答
1.中国をはじめとするアジア諸国の所得上昇
2.日本の経済政策としての観光ビザの緩和
3.円安(リーマン・ショック後の70円台との比較で)による外貨換算価格の低下
4.消費税8%の免税措置(外国人や日本人への贈答や転売も含まれうる)
※外国人観光客の両替は、円高要因です。

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