小原篤次(立教大学客員研究員/神戸大学研究員)

金融計量分析と産業政策から読み解く

2016-02-28
から 小原篤次Ohara,Atsuji
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福岡銀行、親和銀行、十八銀行の概要

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銀行窓口で変額保険や投資信託を販売するようになっても、銀行業はやはり融資がコアな業務である。
預貸収入の落ち込みを、公社債ディーリングや変額保険や投資信託の取り扱い拡大で手数料収入で補いたい。

ただし証券業務や市場性商品の変動性は大きく、融資を代替する業務になりにくいことは、証券業の変遷を見れば、明らかだろう。
だから、まずは再編を続けて、オーバーバンキング(過当競争)を解消していく。

このことが今回の経営統合で、再確認されたのではないだろうか。
banks

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ふくおかフィナンシャルグループ、十八銀行のリリース「経営統合に関する基本合意について」2016年2月26日
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS07869/b2d21d98/4147/4c6e/ac05/18c8d5d66163/140120160226422513.pdf

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2016-02-27
から 小原篤次Ohara,Atsuji
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道州制・都道府県合併の議論も必要―国勢調査ベースで初めて人口減少を確認

平成27年の国勢調査によると、日本の人口は1億2711万人と前回調査より9万4700人、0.7%減少した(図1)。

世界で10番目の人口になるが、人口上昇を続けるメキシコやフィリピンなどに抜かれて、10位から脱落していく可能性が高い。政府は2015年秋、「一億総活躍社会の実現」を新たな目標に掲げ、「希望出生率1.8」としてきた。ただし2014年は全国で1.42、最高の沖縄県でようやく1.86となる。なお最後に全国で1.8以上を記録したのは1984年である。

population2015
政令指定都市、県庁所在地およびその周辺地域への人口集中が進む傾向がある。都道府県を超えた社会移動から、政令指定都市の人口が近隣県の人口を上回るケースもある。顕著なのは広島市・岡山市と島根県・鳥取県の関係である(図1)。九州では、福岡市が、福岡県・鹿児島県を除いて県レベルの人口を上回る。議員定数のほか、道州制・都道府県合併の議論も再燃するのかもしれない。

population2015a

全国の世帯数は前回調査比で2.8%(145万2,722世帯)増の5340万3226世帯である。男女の人口動態にも地域差がみられる(表2)。女性の人口増加数が男性の人口増加数を上回ったのは、東京都・愛知県・埼玉県・神奈川県・滋賀県である。千葉県・大阪府は男性が減少したものの、女性は増加している。宮城県は男性だけが増加している。男女ともに減少した県で男性に比べて女性の減少が顕著なのは、福島県・岩手県・香川県・長崎県・熊本県・愛媛県・鹿児島県・山口県などである。
population2015c

2016-02-27
から 小原篤次Ohara,Atsuji
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国際教養大学、教室の命名を活用した寄付金集め

大学への補助金や交付金が削減されるなかでも、授業料値上げを避けたいところです。そのため、大学経営者にとって、自主財源の確保が課題になっています。

国際教養大学の新しい試みが紹介されています。

大学の寄付金(自主財源)として、企業でも個人でも名前を冠するというのはホール、校舎建設や寄付講座で、従来から行われてきた手法です。
国際教養大学が新しいのは教室を対象にしたことです。記事は、金額に言及されていないのですが、教室名ですから、ホールや校舎建設に比べると、少額なのでしょう。

大学サイトには、法人で20万円以上の寄附者には、別途プレートを製作、1000万円以上の寄附者には、本学施設に御芳名を冠するなどの特別な顕彰を行うとされています。1000万円以上ということなのでしょうか。
寄付金の顕彰であれば、契約期間を定めた競技施設のネーミングライツとはやや異なるものなのかもしれません。ただし記事が触れていないだけで、国際教養大学はちゃんと契約期間を結んでいるのかもしれません。

会社にとっては、CSRや大学生向けの採用広告的な意味合いもあるというところでしょうか。

大学による教室のネーミングライツの取り組みについて、文部科学省の公立大・私立大の担当者は「ほかに聞いたことがない事例」としています。
このコメントに、逆に驚かれる企業や行政関係者がいらっしゃるかもしれませんね。

教室ネーミングで寄付された企業は、キッコーマン、三菱マテリアル、ゼロックス、神戸製鋼、古河電気工業など7社。

出所:長谷川健 「「ネーミングライツ」教室登場 地方公立大の奇策に、企業が次々寄付」『withnews』2016年2月19日

2016-02-23
から 小原篤次Ohara,Atsuji
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書評:磯田 道史(2003)『武士の家計簿』新潮社

加賀藩の武士の猪山家一族(3代にわたる記録)の幕末から明治にかけて家計が克明な家計簿によって現代によみがえった。仕事は徳川家から前田家に嫁いだ「姫君様のそろばん役」から明治政府の海軍省の経理に引き継がれていく。著者は武士は一般に「どんぶり勘定」との可能性を記している。近代化とは財政や家計管理なのかもしれない。

同書の基になる研究は天保13(1842)年7月から明治12(1895)年5月まで、約37年間(36年分)にわたる古文書を神田の古書店で入手したことから始まった。

1842年といえば、英国が清と戦ったアヘン戦争の2年後、米国からの艦船外交(黒船来航)の9年前である。貨幣経済の発達で幕府や各藩は財政に苦しみ、水野忠邦は綱紀粛正と奢侈禁止を命じた天保の改革の時代である。

古文書が残る1842年7月時点で、猪山家の負債総額は年収の2倍にのぼり、年利は15~18%にのぼっていた。年収の2倍の負債は当時としては平均的な姿だった。猪山家が他の武士と違うのは、家計簿を記録して家財を整理して借金を清算したことなのだろう。

家計にしろ企業会計にしろ、そろばん役の重要さは現代で生きている。

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)