清水功哉(2016)『緊急解説 マイナス金利』日本経済新聞出版社

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EUの中央銀行(ECB)やスイス、デンマーク、スウェーデンに次いで、日本銀行もマイナス金利を採用した。民間銀行が日本銀行内の当座預金にある超過準備に対して、0.1%のマイナス金利を課すものである。

同書は、円高誘導の隠された政策目的から、副作用、そして個人の預金者、ローン利用者に目配せした金融リテラシーも含まれている。副作用として、1.銀行の仲介機能が低下するおそれ、2.保険、年金など資産運用への悪影響、3.人々の心理を暗くしてしまう危険性、4.財政の規律を低下させるリスク、5.緩和政策の出口が遠のく可能性、6.地価など資産バブル経済の危険性、7.国際的な通貨安をあおるリスクの7点を指摘している。

固定型か変動型かの比較は、住宅ローンの話は利子が付いた奨学金ローンにも通じる。とすれれば、学生や主婦も含めた幅広い読者にとっての必読書となる。

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